プロラクチンは母乳に不可欠

母乳はどのようにして作られるのでしょうか。それは、「プロラクチン」というホルモンの作用によります。ですから、端的にいえば、プロラクチンというホルモンがきちんと作用すれば、母乳が出るという図式になるわけです。では、プロラクチンと母乳の作られ方の関係を詳しく見ていきましょう。

母乳が出るのは赤ちゃんのおかげ

母乳が出るのは、厳密にいえば胎盤と一緒にエストロゲンというホルモンが排出されたあと、母乳分泌が促進されていきます。でもこの状態だけでは、ママのおっぱいは「母乳を作る準備ができた」という状態でしかありません。勝手に母乳ができるというわけではないのですね。ではどのように母乳が作られているのでしょうか。それは、「赤ちゃんがおっぱいを飲む」という動作をすることにより、初めて母乳が継続的に作られていくのです。詳しくいうと、赤ちゃんが乳頭を吸うという刺激を加えることで、ママの脳には「母乳を作らなければ」という指示が伝えられるのです。

初乳が出るとスタンバイOK

初乳というのは、出産後すぐに出る粘度の高いどろっとした母乳のことです。これが出たということは、ママの体では引き続き母乳を作る準備がすっかり整った、ということを示します。ちなみにこの「初乳」というのは、赤ちゃんに免疫力がつき、しかも栄養価の高いものです。少量でもいいのでできれば、赤ちゃんにはこの初乳を飲ませてあげたいものですね。初乳を赤ちゃんが吸うことで、次の母乳を作るようにママの脳に指示がいきます。すると、脳は「プロラクチン」というホルモンを増加させます。次に、このプロラクチンの血中レベルが上昇し、母乳が作られるようになるわけです。

乳腺ではどんな働きが行われる?

母乳が作られるのはプロラクチンのおかげですが、いったいどこで母乳を作っているのでしょう。実は、乳房のなかの乳腺葉で作られているのです。では、乳腺で作られた母乳は自動的に乳頭にでてくるものなのでしょうか。答えは「NO」です。できた母乳がどのように乳頭まで運ばれてくるかというと、ママの体内で増加する「オキシトシン」と呼ばれるホルモンの作用によります。

おっぱいはもちろん、赤ちゃんが吸って飲んでくれるわけですが、オキシトシンは赤ちゃんが母乳を吸う行為に反応して分泌されます。そして、母乳を乳腺から乳管へ分泌させて、乳頭まで押し出すという働きをしてくれています。赤ちゃんが乳頭を吸って母乳を飲もうとすればするほど、血中濃度が上昇し、オキシトシンも分泌が盛んとなり、母乳を乳頭まで運んできてくれます。

さて、プロラクチンは赤ちゃんが乳頭を吸うことで血中濃度が変化します。では、いつプロラクチンがもっとも高い血中レベルになるのかというと、授乳開始後30分です。ですが、授乳後30分もたっていたら、赤ちゃんがすっかりお腹がいっぱいになってしまう・・・と心配しませんか?実は、これは「次の授乳のため」の母乳の生成に関連するものとなります。

次回分を「今」準備・赤ちゃんのために

今飲ませている母乳は、前回、飲ませてあげていたときに分泌されていたプロラクチンにより作られたものになるわけです。このようにプロラクチンは、「次の授乳に備えて」母乳を生成させてくれる司令塔です。でも、プロラクチンは産後数週間を経過してしまうと、母乳を作る司令塔としての関係性が徐々に薄くなってしまうのです。

つまり、プロラクチンの生成量と母乳の生成量が同じでなくなっていくのですが、それでもママが赤ちゃんに継続して授乳を続けていれば、母乳の生成量はその赤ちゃんに応じた量をきちんと作っていけるようになります。ですから、常に赤ちゃんに授乳していることが何より大事になります。

もし、母乳が出ていないかも? 少ないのかも?と悩んでいるのであれば、そういうときこそ授乳をコンスタントに行っていくことが大事となります。それは、赤ちゃんの飲む量に応じて、ママの体は最適な量の母乳を作ることができるからなのです。ママの体って、赤ちゃんの成長の為、とてもシステマティックにできているのですね。

 

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